犬山市 車屋が古着屋をはじめた理由 和幸
1年前の2月17日。あの記事の裏側と、いま思うこと。
1年前の今日、2月17日。
中日新聞 に、整備士不足の問題提起で私を取り上げていただきました。
今日は、その“裏側”を正直に書こうと思います。
メディアに取り上げてもらうには「想い」だけでは足りない
社会課題を世の中に伝えたいと思ったとき、
ただSNSに投稿するだけでは、新聞社やテレビ局には届きません。
メディアに情報を届けるためには、
「プレスリリース」という公式な情報提供文書が必要です。
・なぜ今この話題なのか(社会性)
・読者にどんな価値があるのか(公共性)
・他と何が違うのか(ニュース性)
これらを整理し、
報道機関に向けて正式に提出する。
それがスタートラインです。
私はメディアPR戦略の専門家に入ってもらい、
整備士不足という課題をどうすればニュースとして成立させられるか、
何度も検討しました。
「車屋が古着屋をはじめる」という切り口
正直に言えば、
「整備士不足が深刻です」というだけではフックが弱い。
社会的には大きな問題でも、
ニュースとしての“引っかかり”が足りないのです。
そこで提案されたのが、
「若者に人気の古着を扱う車屋が、業界に興味を持ってもらうきっかけを作る」
という切り口でした。
もともと事務所やメルカリで少し古着を販売していたこともあり、
その流れを本格化させる形で、
“車屋が古着屋を始める理由は、整備士不足問題へのアクションである”
というプレスリリースを作成しました。
そしてそれを新聞社へ提出。
数日後、連絡が入り、
無事に取材へとつながりました。
近郊版から、全域掲載へ
当初は近郊版での掲載予定でした。
それだけでも十分ありがたいことでしたが、
その後、名古屋本社から連絡が入り、
「全域版の1ページで大きく掲載したい」
と方針が変更に。
整備士不足というテーマの社会性が評価され、
より大きな形で取り上げていただくことになったのです。
あの記事が世に出た日、
本当に震えるほど嬉しかった。
やっと、
この問題が“公の場”に出たと思えたからです。
でも、業界はすぐには変わらなかった
記事になった。
たくさんの人に読んでもらえた。
けれど——
業界に目に見える変化は、ほとんどありませんでした。
整備士不足は続いている。
若者のなり手は増えていない。
大型店は今も「安さ」を前面に出して集客している。
その安さの裏側で、
現場の職人たちは、時間と技術を削りながら戦っている。
私は本当は、
一般のカーユーザーに伝えたかった。
車の整備は命を預かる仕事だということ。
工賃は単なる作業代ではなく、
知識・経験・責任・安全への対価だということ。
でも価格だけが先に認知されると、
「安い=正義」という構図が出来上がってしまう。
それが、いまの現実です。
正直、無力さを感じることもある
あの記事をきっかけに、
同業者がこの問題を深く受け止め、
業界全体で何か行動が起きることを願っていました。
でも、簡単ではありませんでした。
「忙しくてそれどころじゃない」
「どうせ変わらない」
「価格競争に勝てない」
その気持ちも痛いほどわかる。
だからこそ、
自分の無力さを感じてしまう瞬間があります。
それでも、ゼロではない
古着屋を始めてから、
若いお客様と話す機会が増えました。
「車屋さんって、そんなこと考えてるんですね」
「整備士ってかっこいい仕事ですね」
小さな声かもしれない。
でも、確実にゼロではない。
古着屋をはじめた本当の理由
よく聞かれます。
「なんで古着屋はじめたんですか?」
答えはシンプルです。
業界を守りたかった。
整備士という仕事の価値を伝えたかった。
若者に“選択肢”として知ってほしかった。
古着は、その入口でした。
これから
記事になっただけでは、業界は変わらない。
一度の発信で、世の中は動かない。
でも、動かないからといって、
黙る理由にはならない。
工賃の意味を伝え続ける。
職人の価値を発信し続ける。
安さではなく、誇りで選ばれる業界を目指す。
1年前の2月17日。
あの記事はゴールではなく、覚悟の日でした。
変えられるかどうかは分からない。
でも、変えようと動く人間であり続けたい。
その背中を息子達に見せたい
だから今日も、
私は発信を続けます。
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